どんなに低い山でも登山前の準備が抜けていると、場合によっては山の中で遭難してしまうことも。
せっかくの休日に登山に行っても、存分に楽しむことができないですよね。
だからこそ、登山の前には準備が大切です。
この記事では、登山前に外したくない3つの準備をご紹介していきましょう。
【この記事を書いた人】
- 2021年10月ブログ開始。記事執筆数100本以上。
- サラリーマン。時々ブロガー活動。
- 登山は日帰り~山小屋泊まで。富士山経験あり。
- Twitter:@Beyond-s16
準備①:地図はスマホ・紙の両方あると安心
登山中に最も恐ろしいこと、
それは「自分がどこにいるかわからない」ことです。
人気のある山であれば、登山道に標識が多くあります。
他の登山パーティもいて、迷うリスクは少ないでしょう。
しかし、そんな整備された山であっても、悪天候の日に登るとなれば話は別。
道に迷えば、どんなに低い山でも遭難となってしまいます。
万が一に備えるためのマストアイテムは地図です。
当日持っていくことはもちろん、
事前に地図を眺めておくと、コースの難所や休憩ポイントのチェックにもつながります。
無料のスマホアプリならYAMAP/ヤマレコ
無料で使える登山者向けの地図ならば、YAMAPとヤマレコの地図があります。
YAMAPの地図アプリ
YAMAPは、アウトドアセレクトショップや登山保険を扱う、株式会社ヤマップが運営するスマホアプリ。
コースタイムが描かれた地図の範囲が広い点や、
携帯の電波が届かなくても、スマホで現在地が確認できる点で
「使ったことないけど、入れておこうかな」というスタンスの人向けです。
ヤマップは、オンラインのセレクトショップも展開しています。
登山だけでなく、キャンプやグランピングなどのアウトドアにも使えるアイテムたちが
豊富に揃っているので、眺めているだけでも楽しめるサイトです。
ヤマレコの地図アプリ
「もっと冒険したい!」と好奇心をくすぐるのは、株式会社ヤマレコが運営するヤマレコ。
ヤマレコの最大の魅力は、他の登山者が歩いたルートの足あとが見られること。
ヤマレコは地図アプリの開発だけでなく、登った山のレポートを投稿できるコミュニティサイトを運営しています。
登山者どうしの交流が、登山中でもできるアイデアが素敵ですね。
表示できる地図の範囲はYAMAPよりも狭いので、出発前に行先が表示できるか確認しましょう。
紙の地図もあると、さらに安心
スマホのバッテリー切れや、地図データのダウンロード忘れ、地図の範囲外に出てしまった。
そんなスマホ地図が使えない場合の備えとして、紙の地図もあると便利です。
書店やwebで多く見かける地図と言えば、旺文社の山と高原地図。
2021年現在、日本全国の61エリアの地図を発売中。
発売から50年以上愛され続ける理由は、定期的に改正される地図情報。
台風などの自然災害で崩れた山道の情報や、見やすさにこだわった配色の変更まで、
登山者に寄り添った地図づくりに安心感が高まります。
無料地図なら、国土地理院の地図をプリントアウト
「登山の行先ごとに地図は買いたくない」という人は、無料の地形地図を持っていくアイデアもあります。
そんな時に使えるのは、国土交通省 国土地理院が発行する地形地図。
国土地理院では、日本全国の1/25,000縮尺の地形地図をweb上で見ることができます。
上の画像は塔ノ岳周辺の地形図です。
グレーの点線で登山道が描かれているので、参考として見ることができます。
web上なら3D地図も見られるので、ルートの中で険しい部分を事前にチェックすることもできますよ。
赤の斜めの線は、「磁北線」と呼びます。
コンパスを使うと「北の方角」が分かりますよね。
実は地図の真上にくる「北の方角」とコンパスが示す「北の方角」は
登る山の場所によって変わってくるのです。
例えば先ほどの地図中の赤い線は
「塔ノ岳のあたりでコンパスを使うと、コンパスは西側に約7.5度かたむいて表示されます」
ということを示しています。
この傾きは、北海道なら約10度、沖縄なら約5度と、
北に行くほど大きくなります。
地形の読み方は、また別の機会にご紹介していきたいと思いますが、
まずは次の2点だけでも覚えておくと、登山コースの予測が立てやすいですよ。
- 磁北線は、西に傾いている。
- 等高線の間隔が狭いほど、急な傾斜の道になっている。
準備②:天気は事前に要チェック
どんなに初心者向けと言われる山でも、悪天候の登山には危険がつきもの。
天気を調べるなら、てんきとくらすが提供する行楽地の天気予報から、山の天気が確認できます。
- 登山指数:気象予報条件から計算された登山をするための快適さ
- 標高ごと(2か所)の気温
- 標高ごと(2か所)の風速
てんきとくらすなら翌日までの天気予報は3時間ごと、2日~1週間先までは日毎に予報が見られるので、計画を立てる時は参考にしましょう。
悪天候の場合のコースプランを用意しよう
また、「天気は悪いけれど決行」という場合には、いくつかのコースプランを考えておきましょう。
- 雨が強くなった時に、エスケープするルートは?
- 雨宿りできる小屋や設備はあるか?
- 増水しそうな沢があれば、回避するコースはあるか?
もちろん最も安全なのは、「悪天候なら次の機会にする」こと。
山に行く時の心構えとして「迷ったら、やめておく。」が鉄則です。
準備③:装備は出発前に再点検
装備の再点検ポイントは次の3つです。
道具にキズやヒビが入っていないか
登山中のトラブルでありがちなのが、靴のトラブル。
特に長年使っている靴ならば、ソール(靴底)がはがれてしまったり、割れてしまうこともあります。
靴底を持って反らせた時に、ソールにヒビなどがないか、点検しておきましょう。
このほかにも予備の靴紐を入れて置いたり、ヘッドランプのバッテリーが切れていないか
確認しておくと安心ですね。
体温調節できる上着を入れてあるか
山の気温は標高が100m上がるたびに1℃下がると言われています。
山のふもとで30℃あっても、3,000m級の山ならば山頂付近は10℃台かそれ以下ですね。
夏場も上着を忘れがちですが、特に注意したいのが冬場の登山。
汗が冷えて急速に体温が奪われやすいので、行動中に着る服に+1枚上着があると安心です。
例えば持っていくアイデアとして、
「ダウンジャケット + GORE-TEXのレインウェア + フリース」
という組み合わせは使い分けしやすいです。
使い分けとしては、次のようになります。
・行動中はフリース+GORE-TEXのレインウェア
・休憩中はダウンジャケット
行動中は透湿性が高くて蒸れにくいGORE-TEXのレインウェアを着ると、汗のムレをうまく逃がしてくれます。
また、特に登り始めから身体が温まるまでは、フリースを着ておくと快適に歩くことができますよ。
また、立ち止まって休憩や昼食の時は、汗が急速に冷えるのを防ぐために、ダウンを着ておくと良いです。
登山用ではないダウンは汗を吸うと重たくなってしまうので、着るタイミングに注意したいですね。
食料に過不足がないか
山に行く時は飲み物、昼食、おやつ、など持っていくことが多いと思います。
当ブログでも行動食の準備についてとりあげてきましたが、ここでは食料が多すぎる場合を挙げます。
食料を多く持っていくと、その分だけ荷物が重くなります。
荷物が重くなれば、体力の消耗が激しくなり、汗によって失う水分量も多くなり、
結果として登山全体がつらく感じてしまうことになりかねません。
特に山小屋に泊まる場合ならば、山小屋で水や食料を購入する想定で計画すると
荷物を減らすこともできますよ。
登山用の行動食の購入には、登山用品を扱うオンラインストアの品揃えを頼りましょう。
地図でご紹介したYAMAPは、ゼリータイプ食料のラインナップが豊富です。
スポーツゼビオグループが運営するL-breathだと、お湯を入れて作れるご飯から、プロテインまで
幅広いジャンルが揃っています。
アウトレットで安くなっている場合もあるので、たまーにチェックしておくと掘り出し物と会えるかも。
おわりに:無理のない計画を立てて安全登山を
今回紹介した登山の準備、当たり前のことと思われたかもしれません。
だからこそ、登山に慣れてきている人ほど特に注意してほしいポイントに絞って挙げています。
私自身も少し慣れてきたころに、地図を持たずに標高400mほどの山に登って、道を失いかけたことがあります。
登山を楽しむ前提は、無事に帰ってくることです。
ここまでお読みいただいたあなた、準備万端で次の登山へいってらっしゃい!
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