登山は快晴の中で景色を楽しみたいですが、急に悪天候になることも。
山の天気は変わりやすいというだけに、天気予報の確認や備えが大切ですね。
この記事では、登山の前に確認しておきたい山の天気や、地形別に注意が必要な悪天候についてもご紹介していきます。
- 山の天気予報を調べておくのが大切な理由
- 天気図で最低限覚えておきたいポイント
- 地形別に気を付けたい悪天候の種類
![](https://beyond-s.com/wp-content/uploads/2021/11/f912d1b2c3ef86e8aeddcaedc0ebd42c.jpeg)
【この記事を書いた人】
- 2021年10月ブログ開始。記事執筆数80本以上。
- サラリーマン。副業としてブロガー活動。
- 登山は日帰り~山小屋泊まで。富士山経験あり。
- Twitter:@Beyond-s16
山の天気予報を調べるのが大切な理由
山の上と麓では天候は大違い
山に行く前にどんな天気予報を見ていますか。
例えば、「長野県の北アルプスに行くから、長野の天気予報を見て置けばOK」とはいきません。
理由は、テレビやラジオで放送している天気予報は、
基本的に山の麓の平野部に対して予測された情報だから。
山のように起伏のある地形は天気にも影響を及ぼします。
そのため、平地では天気が良くても、山の上では強風や濃霧など、山行には不向きな気象条件となる場合もあります。
快適に、そして安全に登山を楽しむためにも、登山向けの天気予報を確認しておくことが大切です。
例)高尾山の天気を調べる場合
では、具体的に登山前に天気を調べるシーンを考えてみましょう。
山の天気を調べるなら、てんきとくらすが細かい山域や行楽地に合わせて予報を出していてオススメです。
例えば東京・高尾山の場合。
てんきとくらすの中で高尾山は、登山というよりも行楽地としてカウントされているようで、
オススメの服装を朝・昼・夜の3時間帯で予報してくれています。
ここからは予測ですが、
「てんきとくらす」では標高1,000m以下の山であれば、オススメの服装を書いてくれているようです。
標高1,000m以上の山なら、登山指数と標高別天気が予報
「てんきとくらす」では、標高1,000m以上の山の場合、
登山指数と標高別の気温・風速の予報も出ています。
例えば、神奈川県・塔ノ岳の天気の場合、
標高1,000mと標高1,500m付近の気温と風速も確認できます。
山頂付近が寒そうだと分かれば、持っていくアウターを増やすなど
対策も取りやすいので必ず確認しましょう。
山行が多い時期はヤマテンで有料登録する手もアリ
「山の天気予報は有料でもいいから調べておきたい」という人には、
ヤマテンがオススメです。
ヤマテンの天気予報を作っている天気予報士は
「世界の果てまでイッテQ!」でイモトアヤコさんが登山に挑戦する「イッテQ登山部」や
世界最高齢エベレスト登頂のギネス記録を持つ三浦雄一郎さんにも
情報提供している山岳専門の予報士さんです。
ヤマテンでは、全国332座の山域周辺の天気予報が月額330円で提供されています。
消費電力を抑える登山モードでアプリ起動が可能など、登山者の使いやすさに合わせたアプリなので、
山行が多い時期限定で登録しておくのも良いかもしれないですね。
天気図で最低限覚えておきたいポイント
毎日テレビなどで見かける、天気予報図。
詳細を読み解くには、知識と経験を積む必要がありますが、
ここでは最低限覚えておきたいポイントを挙げます。
等圧線の間隔が狭い日は強風に注意
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天気予報図で描かれている白い線。
この線を等圧線と言います。
等圧線は気圧が同じ場所を表していて、等圧線どうしの間隔が狭いほど周辺で風が強くなります。
例えば、北アルプスに登る時に、西日本付近に等圧線の間隔が狭い低気圧があれば
強風や悪天候にみまわれるリスクが大きくなります。
理由は、偏西風と呼ばれる西から吹く風によって天気は西から悪くなる場合が多いからです。
台風は進行方向の右側が危険半円
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台風が近づいている場合は、危険半円が近づいていないか必ず確認しましょう。
危険半円とは、台風の円のうち、進行方向より右側にあたる部分です。
北半球では、台風の周りを反時計回りの風が吹いています。
危険半円は、台風の進行方向と反時計回りに吹く風の方向が同じ向きになるので、
局地的に激しい雨が降りやすい傾向になります。
以上のように、特に山行のリスクになりやすい天気は予報図から読み取ることができます。
安全な登山のためにも、覚えておくと早期の発見につながりますよ。
登山コース別の注意したい天気
登山中には森の中や稜線、そして頂上などさまざまな地形を歩きます。
ここからは、コースの地形別に気を付けたい天気についてご紹介します。
沢:山域の雨
沢は山の上側から水が流れてくる道になっています。
当ブログで読図を紹介した時にも書きましたが、
沢の両側は標高が高くなっています。
つまり、雨が降れば地面に浸透しきれなかった雨水は、沢をめがけて流れてきます。
特に麓に近い沢にいるならば、山の中腹から2つ以上の沢が合流して流れてくるので
特に注意しておきましょう。
森林:雷
山の麓に近い場所や中腹部分では、森林の間を歩くコースもあります。
「標高も低いし安全そう」と思われがちですが、雷は森林の中の高い樹木に向かって落ちてきます。
もしも森林の中で雷が来てしまったら、
- 背の高い木からは、4m以上離れる
- 木が密集していない、開けた場所にすみやかに移動する
ようにしましょう。
稜線:風や雷、場所によっては濃霧にも注意
稜線は植物が少なく、さえぎるものが少ない地形となっています。
晴天時でも強風にさらされるリスクもありますし、
悪天候となれば雨や雷、季節によっては濃霧の危険もあります。
雨と風は夏場であっても低体温症につながるリスクをはらんでいます。
GORE-TEXやOMNI TECHなど、防水透湿性のあるウェアは必ず荷物に入れて出発しましょう。
頂上:雷
山頂はその周りで一番高い場所。
本州で標高2,500m以上の山なら、ほとんどの山頂は森林限界を超えていて遮るものもわずかです。
こうした場所では、雷に注意しましょう。
登る途中で積乱雲が見えた場合には、狭い範囲で雷やひょうを伴って強い雨が降る可能性もあります。
山小屋があるなら退避するなど、逃げる算段をしながら進みましょう。
まとめ:悪天候の時は迷わず安全策を
この記事では、山の天気の基本や、覚えておきたい天気図の見方についてご紹介しました。
どんなに出発時に天候が良くても、山の天気は急激に変化します。
雨風を凌げる装備を持って山に向かうようにしましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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