【おいしい文学賞受賞小説|母さんは料理が下手すぎる】家族の日常と成長を綴った短編集

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読書

以前の記事でご紹介した、いわたま選書さんの本の紹介シリーズ。

当ブログでは、食べ物や料理にまつわる小説・エッセイを多く紹介していますが、今回のタイトルは『母さんは料理が下手すぎる』

タイトルとは裏腹に、家族それぞれの葛藤や成長が丁寧に描かれた1冊です。

さっそく見ていきましょう!

白石睦月さんの単行本デビュー作

作者は山口県出身・在住の作家、白石睦月(@shira_mutsu)さん。

小説を書き始めてから、出版社主催の文学賞に応募を続けてきた白石さん。

ポプラ社が主催した第1回「おいしい文学賞」の選考で、252作の中から初代文学賞に選ばれてデビューされました。

ポプラ社と言えば小川糸さんの『食堂かたつむり』や、藤野恵美さんの『初恋料理教室』など、

おいしいものが登場する名作を数多く世に送り出してきた出版社です。

そんなグルメな小説の系譜に続くのが、今回ご紹介する『母さんは料理が下手すぎる』です。

亡き父が残したレシピで料理する息子が主人公

主人公は高校生の龍一朗。

交通事故で亡くなった父の残したレシピノートで、会社勤めの母と三つ子の妹たちにご飯を作るのが彼の役目です。

さすが「おいしい文学賞」受賞作、日常の夕食の描写を読むだけで美味しそうに感じてしまいます。

普段の、何気ない日の夕食の準備風景が丁寧に描かれていて、「料理」というよりも「食事」の描写に引き込まれていくのが印象的でした。

家族それぞれの悩みや葛藤が丁寧に描かれた1作

小説の章ごとに、小説の描かれる視点が、主人公の龍一朗、三つ子の透、蛍、渉、そして母・琴子と変化していきます。

家族1人1人の悩みや葛藤、そして成長が描かれていて、どんな読者世代にも共感できるポイントがあると思いますよ。

例えば、高校生の龍一朗の悩みは恋や将来について。

一家の食卓を預かる役目を果たしながらも、学校での恋や、同じく料理を志す同級生と交わす将来についての悩み。

青春小説のような爽やかな描写ですんなり読めます。

また、保育園の年長から小学校入学に差し掛かった3つ子の妹たちは、三者三様とも言えるそれぞれの悩みと向き合います。

大人びた雰囲気の3人の成長に目を見張ると思いますよ。

そして、シングルマザーとして4人の子どもを育てながら、会社では課長職で働く母・琴子。

子育て世代のママにとっては、仕事と育児で葛藤する部分など、共感できるポイントが多いんじゃないかと感じます。

まとめ:家族の日常が丁寧に描かれた1冊

この記事では、白石睦月さんの小説『母さんは料理が下手すぎる』をご紹介しました。

2021年からはご自身のnoteで、短編小説やご自身の子育てについても発信されています。

こちらも気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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