ネガティブケイパビリティ|精神科医が説く先の見えない日々に持ち堪える力

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読書

仕事や人間関係、気候など、あなたを取り巻くストレス源はいろいろあります。

中には、自分では答えが出せないようなストレス源もあるかもしれません。

ストレスと上手に付き合う力をつけておかないと、精神的に参ってしまうことも。

この記事でご紹介する「ネガティブケイパビリティ」は、

「答えが出せないような事態」に持ち堪えていく力です。

2023年9月に、NHK総合 クローズアップ現代でも取り上げられた、注目のスキルを紹介します。

この記事向けの人
  • 仕事やコロナ、先の見えない日々に悩んでいる人。
  • 人間関係に悩んでいる人。
  • 自分の始めたことで、まだ成果が見えてこない人。

ネガティブケイパビリティ=答えの出ない事態に耐える力

ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力あるいは陰性能力)とは、

本の冒頭で次のように説明されています。

・どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力
・性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力

「はじめに」より引用

社会に出ると様々な場面で「迅速に問題を見極めて解決できること」が期待されていますが、

ネガティブケイパビリティは、真逆の能力と言えます。

著者は作家・精神科医の帚木蓬生さん

著者の帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さんは、時代小説作家として知られていますが、

実は精神科医としても勤務されていた経歴を持ちます。

著書「ネガティブケイパビリティ」の中でも、

精神科医の経験を通して出会った

患者さんのケース例や、精神科医どうしの意見交換が挙げられています。

ネガティブケイパビリティは課題解決能力と真逆のスキル

あなたは職場で、すぐに問題点を特定して解決することを求められていませんか。

また、学生時代を思い出すと、テスト問題の解答を簡潔にまとめると点数になりましたよね。

こうした能力は、一般的に課題解決能力と呼ばれています。

ネガティブ・ケイパビリティは課題解決能力とは真逆のスキルです。

この本では、ネガティブケイパビリティが必要な仕事の例として、

芸術家や研究者、小説家など何かを造り出す人々が取り上げられています。

私の気に入っている言葉は「運・鈍・根」です。本文から引用します。

「運」が舞い降りてくるまでには、辛抱強く待たねばなりません。
「鈍」は文字通り、浅薄な知識で表面的な解決を図ることを戒めています。
まさしく、敏速な解決を探る態度とは正反対の心構えです。
最後の「根」は根気です。結果が出ない実験、出口が見えない研究をやり続ける根気に欠けていれば、ゴールに近づくのは不可能です。

「第九章 教育とネガティブ・ケイパビリティ」 より引用

あなたが新しいことを始める時、なかなか成果を感じることができないかもしれません。

そんな時は「運・鈍・根」の考えを思い出しましょう。

人の病の最良の薬は人である

本文の中で、著者が語っているのは不安定な状況に耐える時に必要なのは、人の力であるということです。

誰でもひとりで苦しむのは、耐えられません。誰かその苦しみを分かってくれる、見ていてくれる人がいると案外耐えられます。

「第四章 ネガティブ・ケイパビリティと医療」 より

あなたも、仕事やコロナ禍、家族関係など、何かに悩みを感じているかもしれません。

著者の意見は、悩んでいるあなたを誰かが見ていてくれると知れば、人は耐えられるということです。

反対の立場で考えれば、私たちがすぐに始められることは、

周りの人へ「見ているよ」と伝えることですね。

互いに見ていると伝えることが最良の薬となって、

答えの出ない事態にも耐えていけると思います。

モヤモヤの実践例

九州大学の高田仁 教授は、午前はモヤモヤと考えることを、午後は問題を解決して進めていくことを、中心としたスタイルで、仕事を進めています。

何でも、即断即決すると、時には道を誤ることもありますよね。

すぐに決めきれないことは、毎日ちょっとずつモヤモヤしながら、

ゴールを探る時間を置くのがベストです。

まとめ:先の見えない日々に持ち堪える力で毎日を楽に

この記事では、ネガティブ・ケイパビリティについてご紹介しました。

現代で重視されがちな、問題設定能力や課題解決能力とは真逆のスキル。

先の見えない日々が続いている今こそ、

ネガティブケイパビリティがあなたの気持ちを少しだけ楽にしてくれるかもしれません。

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