井上靖「氷壁」は上高地・徳沢へ行くなら必読!不朽の山岳小説を読めば登山の楽しみが何倍にもなる

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読書

登山をテーマにした小説家と言えば、新田次郎さんを思い浮かべる人が多いと思います。

一方で、山岳小説で有名な1冊を挙げるならば、井上靖さんの「氷壁」を外すことはできません。

この記事では、小説「氷壁」をご紹介します。

実在する山やルートが出てくるので、上高地や徳沢へ行く予定のある人はこの1冊を読むだけで登山コースの楽しみが何倍にも増やせると思いますよ。

【この記事を書いた人】

  • 2021年10月ブログ開始。記事執筆数100本以上。
  • サラリーマン。時々、ブロガー活動。
  • 登山は日帰り~山小屋泊まで。富士山経験あり。
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この本を読みたくなる時
  • ミステリー小説が読みたい時
  • 山岳小説の名作を手に取りたくなった時
  • 時間をかけて、じっくりと読む本が欲しい時

氷壁は実在の事件をモデルとした長編小説

小説「氷壁」は朝日新聞で連載されたのち、1957年に単行本として発売されました。

発売当時のころは、全編が歴史的仮名遣いで書かれていたとか。

最近の版では現代仮名遣いになっているので安心して読めます(笑)

小説の主人公は実在する岩壁・前穂高東壁の登攀にチャレンジする登山家2人。

登攀中に2人を結んでいたナイロンザイルが切れて遭難してしまうことがメインテーマとして描かれています。

十分な強度で切れるはずがないナイロンザイルが切れたこと、2人だけの岩壁で起きた切断事故、ナイロンザイルが切れたのは事故か故意か。

山で起きた事故をテーマに、家族やナイロンザイルメーカーを巻き込んだミステリが描かれています。

山岳小説ですが、ミステリが好きな人にオススメのストーリーだと思います。

小説「氷壁」は実在のスポットがいくつも出てくる

小説の舞台となる前穂高東壁は、長野県の上高地エリアにあります。

小説の中ではいくつもの実在の地名やモデルとなった山小屋が出てきます。

ここでは2つの見どころをご紹介します。

①徳沢小屋は「徳澤園」がモデル

小説の中では、徳沢小屋という山小屋が描かれていますが、これは実在する徳澤園という小屋がモデルになっています。

現在の徳澤園はハルニレの森に佇むとてもきれいな小屋で、泊まれなくてもカフェでドリンクやソフトクリームをいただくことができます。

文庫版「氷壁」。モデルとなった徳澤園前にて

徳沢へ行くと舞台となる前穂高東壁を望むことができます。

小説を読んでから岩壁を眺めれば、ストーリーの臨場感を追体験できるのではないでしょうか。

また、館内には直筆の氷壁の原稿が。

作者の井上靖さんが後年になって徳澤園のために書いたものです。

小説が好きになった人はぜひ足を運んでみてくださいね。

徳澤園から少し歩くと、氷壁にまつわる石碑も立てられているので、合わせてチェックしておきたいですね~

徳沢エリアで宿泊を考えている人は、徳澤園とは別に「徳沢ロッヂ」という小屋もあるので、問い合わせ先を間違えないようにしましょう。

ブログの中の人は徳沢ロッヂに実際に泊まったことがありますが、静かな森の中に佇んでいてステキな宿ですよー!

日中は木漏れ日、夜は館内のランタンの光が幻想的なので、こちらも宿泊候補にぜひ!

②上高地までのコースにも注目

氷壁の小説では、河童橋や大正池といった上高地からアクセスできる人気スポットの名前がたくさん登場します。

特に注目したいのは、主人公が島々から沢渡(さわんど)行きのバスを待っていること。

現在の上高地はアルピコ交通上高地線の新島々駅からバスでアクセスすることができます。

氷壁が描かれた当時はまだバスが無いため、沢渡から上高地へ歩いていく姿が描かれています。

実際にバスに乗ったことのあることなら驚くと思いますが、バスで数十分かかるコースを歩いて登っていたのです!

上高地へのアクセスまでもが克明に描かれているので、行く前に読んでおくと新たな発見があるかもしれませんね。

まとめ:山岳小説の傑作は読むと山へ行きたくなります

この記事では、井上靖さんの長編小説「氷壁」をご紹介しました。

改めて読んでみると、実際にあった事故だからこそ、克明に描き切ろうとしていたのではないかと思ってしまいます。

岩壁へと向かう描写、途中に描かれる梓川の清流さ、一文ずつから上高地の景色が浮かび上がってくるように感じます。

読書の秋、山岳小説で楽しんでみてはいかがでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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