首相が国会で発言して賛否両論が上がった「育休リスキリング」。
子ども育てた経験あるの?
とか
赤ちゃん泣いて、勉強なんてできるわけないじゃん!
など、否定的な意見も多くみられました。
私も第3子で4カ月間育休を取得する間に、実際にリスキリングで簿記2級に合格しましたが
難しい場面がたくさんありました。
この記事では、育休リスキリングのリアルな体験談と、
これから資格を取るならオススメとなる講座を紹介します。
資格を選ぶまで
資格を選ぶなら2つのパターンのどちらか
資格はいくつでも、取ることができます。
1つの資格の勉強には、最低でも1~2か月、長ければ数か月かかるので、
世の中にある全部の資格を取ることは当然ムリ!
次のどちらかに当てはまって、自分の興味があるものを選びましょう。
選ぶべき資格は次のどちらか
- 自分の仕事につながる勉強になる、資格があると昇格しやすい。
- 仕事に使わないけど、勉強すること自体が目的。
資格沼にハマるとリスキリングにならない
上のどちらにも、当てはまらない資格を取っても
「合格!」となった翌日には、物足りなさを感じてしまいます。
それは、あなたが「勉強している自分が好き!」だから。
また、次の資格を探し始めてしまうでしょう。
学び続けることは、人生でとても重要ですし、
勉強をやり抜ける力があるあなたは、周りから尊敬もされます。
でも、育休中に、子どもと過ごす時間を費やして、勉強するのはもったいない。
自分にとって、活かせる資格を取りましょう。
簿記2級を選んだポイント
ここからは、実際に簿記2級を受けるまでを紹介します。
上でも「仕事に直結する」または「勉強することが目的」の資格を取るのが
ベターと書きました。
この資格は、私の場合は「勉強することが目的」です。
その理由は3つあります。
簿記2級を勉強する理由①:お金の感覚が身に付く
簿記は、会社の経理業務で必要なお金の知識がまとまっています。
例えば、次のお金をどうやって会社の帳簿に記載するかが学べます。
- アメリカから商品を仕入れる時、購入価格(ドル)を帳簿(円)につける方法
- 利益計算(売上利益、経常利益、純利益の違い)
- 固定資産と流動資産の違いと計上のやり方
といった内容です。
利益のことは粗利しか気にしなくてOKって教わったよ
とか
棚卸とか面倒だし、適当に付けておけばいいっしょ
とか、自分の仕事が忙しすぎて
よくわからないで放っておいていることはたくさんあると思います。
そんな会社のお金に関わる知識が、簿記2級までを覚えれば一気に分かるようになります。
簿記2級を勉強する理由②:会社の財務状況が読めるようになる
簿記の知識を持つと、会社の財務諸表を読み解くことができます。
自分の会社の財務が読めると、決算期の1年や、会社の累計の財務状況が分かります。
全然、売上が上がってないよ。ボーナス少ないかも・・・
なんてことも、財務諸表が読めれば、事前に心構えをすることもできます。
簿記2級を勉強する理由③:株式投資する会社の財務チェックもできる
新NISAが2024年1月から始まり、個人で株式投資をする人が増えています。
高配当株や魅力的な株主優待を出している会社の株を買うか迷ったら、
財務状況のチェックが大事です。
サラリーマン
予想の配当金は高いけど、毎年利益が減ってる・・・?
という、傾向が見られたら、
将来的に、急に配当金が減らされたり、株価が急落する可能性もあります。
お金のリスクもチャンスも、財務諸表を読むスキルを身に付けることで
敏感にとらえることができるようになります。
勉強時間の取り方
いざ、育休中にリスキリング!と思っても、勉強時間の取り方が難しいですよね。
ここでは、リアルな育休リスキリング体験談を踏まえながら、時間の確保の仕方を紹介します。
赤ちゃんが寝ている時間を活用
勉強時間は、赤ちゃんが寝ている時間を活用しましょう。
せっかくの育休で、赤ちゃんと一緒に過ごせるのに
起きている時間を勉強に使うのはもったいない!
たくさん写真を撮ったり、平日しかやっていないお店に出かけてみたり、
平日の昼間がフリーだからこそできる楽しみ方をしましょう!
家族のイベントや体調が最優先
例えば、赤ちゃんやママが体調を崩した時、
リスキリングなんかしている場合じゃないですね。
赤ちゃんが産まれた後は、御宮参りに、毎月の検診、予防接種などなど
予定やイベントが続きます。
勉強する時間も大切ですが、1つずつイベントを大切にしていくと
子どもが成長してからも、家族で懐かしい思い出として大切に思い出すことができます。
日商簿記では、2020年12月からネット試験が導入されていて、
商工会議所などの指定された会場で、受験ができるようになりました。
育休中は、赤ちゃんの体調やご機嫌によって
毎日、コツコツ勉強時間を確保するのは、ほぼムリです。
試験日が決まっている統一試験よりも、
自分が「合格できそう」と思えるレベルになってから受験できる
ネット試験がオススメです。
試験直前は協力してもらおう
テキストを全部やって、模擬試験でも合格点近く取れるようになったら
ネット試験に申し込みましょう。
直前はどうしても、家族の協力が必要です。
簿記2級の場合、試験時間は90分。
試験中の時間配分や、集中力をキープするトレーニングのために、
何度か模擬試験を勉強しておくと、緊張せずに試験に臨めます。
簿記2級の勉強方法
ここからは、事前に立てていた目標と、リアルな受験勉強記録を紹介します。
3ヶ月で受験するためのマイルストーン
ここからは、3か月(=12週間)で試験を受けるまでのマイルストーンを紹介します。
勉強時間を1日1時間とした場合の目安なので、
もっ時間を確保できるなら、さらに早く受験にこぎつけることもできます。
実際に使ったテキストは次の2冊です。
簿記2級で出題される商業簿記と工業簿記、それぞれ1冊ずつを買いました。
試験の頻出ポイントを丁寧に例題とセットで説明しているので
読みやすいし、覚えやすいのがポイントです。
1~3週目:商業簿記のテキストを総ざらい
最初の3週間は、商業簿記のテキストを総ざらいしていきます。
進め方は、とってもシンプル。
テキストを読んで、各章の最後にある練習問題を解く。
これだけです。
全部で、23章に分かれていて、試験に頻出の章は手厚く書かれているので
一目見て分かります。
このテキストの良いポイントは、
難しすぎる項目は「補足情報」として書かれていること。
まずは、読み飛ばして、全体の勉強をする方が得策です。
4~6週目:工業簿記のテキストを総ざらい
商業簿記のテキストの総ざらいが終わったら、
次は工業簿記です。
簿記3級では、商業簿記だけが出題されますが、
簿記2級では、商業簿記が60点分、工業簿記が40点分出題されます。
合格ラインは70点以上なので、商業簿記・工業簿記を
バランスよく勉強して試験に臨みましょう。
習熟度チェック:模擬試験を1つ解いてみる
商業簿記と工業簿記、両方のテキストを総ざらいしたら、
模擬試験を受けてみましょう。
紹介したテキスト、滝沢ななみシリーズでは、テキスト購入者限定の
web模擬試験が受験できます。
この他にも、ネットスクールが独自に作成したweb模擬試験も
無料で利用することができます。
簿記試験は、終了後に問題が回収されてしまうため
過去問は存在しないのです。
資格講座のwebサイトなどが過去の傾向を元に
作成した模擬試験を活用して、勉強していきましょう。
7~10週目:商業簿記、工業簿記の苦手単元を集中トレーニング
ここからは、模擬試験で点が取れなかった単元を集中トレーニングしていきます。
模擬試験は、「自分が今、どのくらい点が取れるか」を確認する以外にも
もっと効果的な使い方があります。
それは、「解答例を見ながら、解き方をなぞること」。
どうすれば、満点の回答になるのか、手順を確実に覚えられれば
当日の試験でも、満点を目指すことができます。
11~12週目:模擬試験を解き続ける
最後は、ラストスパートです。
ひたすら、模擬試験を解きながら、次のポイントを確認しましょう。
- ほぼ確実に出る問題は、解く手順を頭に入れる。
- 大問にかかる時間を見ながら、どの順番で解くか決める。
いざ試験!点数を稼ぐ戦略は?
ここからは、気になる簿記2級の合格のための戦略を紹介していきます。
簿記2級の場合、全部で大問は5問出題され、
問1から問3が商業簿記、問4と問5が工業簿記となる可能性が高いです。
意外と落とし穴、仕訳問題は満点取れないと思え
商業簿記では問1、工業簿記では問4で、基本的な仕訳問題が出題されます。
基本の仕訳だし、点取らせ問題でしょ?
と思っていると痛い目に遭います。
というのも、仕訳は300パターン以上あり、全てを完璧に暗記して
対策するのは、相当な勉強時間が必要です。
合格ラインの70点を取りに行くには、
仕訳問題では満点を取れない
と思って、戦略を練りましょう。
私のオススメ戦略は、最後にまとめます。
商業簿記:財務諸表or連結決算はほぼ確実に出題
商業簿記では、財務諸表、または、子会社との連結決算が
ほぼ確実に出題されます。
問2と問3は財務諸表と連結決算で占められ、配点は40点です。
この2つの大問で着実に加点していくのが、
合格への近道となります。
工業簿記:標準原価or直接原価orCVP分析も、どれかほぼ確実に出題
工業簿記では、標準原価計算または直接原価計算、CVP分析のどれかが
ほぼ確実に出題されます。
原価計算は、計算方法が複雑だったり、
似たような名前の計算方法が出てくるので、
時間をかけてじっくりと覚えていきましょう。
合格ライン70%を取りに行く戦略は?
ここまで見てきた簿記2級試験の傾向。
私が考えた合格ライン70点を狙う戦略はとてもシンプル。
3つだけです。
- ほぼ確実に出る問題は、満点狙いで、何度も繰り返し解く。
- 仕訳問題は、基本問題を繰り返し解く。
- 苦手な単元は、テキストを読み込んで、頭に入れる。
それだけ?と言われればそうですが、
何度も同じ問題を解いて「すべての手順をインプットする」には、
相応の時間が必要です。
試験当日、その場で焦らなくていいように
時間が許す限り、問題を反復して解きましょう。
この戦略で、実際に90点オーバーで合格できました。
落とした問題は、仕訳。
基本問題を反復していても、
思いがけない複雑な仕訳問題が出ることもあります。
資格試験は、勉強すればした分だけ成果が出ます。
合格目指して、頑張りましょう!
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